梅雨の合間に仕事のない日曜と好天が重なったので急遽登山をしました。
実に15年ぶりの大峰山系大普賢岳です。
15年前は9月。登山を初めてわずか3回目、怖いものがなかったのか、関西有数の日帰りロングルートの大普賢岳周回を決行したのでした。前日夜に近くの道の駅に停車し車中泊し、朝6時頃起きて段取りし、移動して7時から登りだしたわけです。9時間で行けるだろ、16時には下りれるだろうと計画したのですが、今考えると如何にも甘い、隙だらけ。担ぐ水の量も少なく、残り2時間程度のところで水を切らし、隊長(マイワイフ)に゙水を恵んでもらうという失態をしたのを記憶しています。しかも結局10時間以上かかり、熱く燃え盛る夕日を正面に受けながら、疲れ切って最後のキャンプ場脇の舗装路を這々の体で降りてきた記憶が鮮明です。今もし同じ計画をするなら、少なくとも5時前には起きて、5時半には登りだし、涼しい朝のうちに出来る限り距離を稼ぎ、水も少し多めに持っていきながらも、適宜、喉が渇く前に少しづつ飲み、一番暑い時間帯を出来る限り標高の高い場所を歩けるように算段するだろうな・・・と思うのですが、あれから15年。車中泊できるようなサイズの車でもなくなり、車中泊するべく夜間に走行するような気迫もなくなった五十路の私。当然のように日帰り、しかも周回でなく、和佐又から大普賢岳のピストン(5時間くらい)の行程を選んだのでした。梅雨のさなかとはいえ、2025年の6月は晴れたなら気温30℃を超える夏の暑さ。水だけは多めに4.5リットルほど担ぎました。
兵庫県にある家を出たのが5時45分くらい。少し道間違えをしたものの、8時半には和佐又について、登山者用の無料駐車場に停めさせてもらいました。(もうほとんど停められる場所がなかったので、人気ですね。ご利用の方は8時くらいまでには到着なさるのが良いかと存じます。)
駐車場から和佐又ヒュッテ前までは10分ほどの距離で、登山口にほど近いバンガローの手前にきれいなトイレがあります。使わせてもらって登りだします。最初はコンクリートの舗装路です。
思っていたよりもキャンプ勢のテントの数が多く、朝のさわやかな空気を楽しんでおられる中を通り過ぎ、車をふさぐ簡易なガードを通り過ぎ、顕彰碑やら歌碑などを脇目に本格的に登山路に入ります。9時すぎ、標高1200近い、森の中ということで、暑いと言ったら暑いけど、たまらんというほどでもなく、先月の段ヶ峰の最初のほうが暑かったね・・などと隊長と話します。今回はクマの出没の多い山系ということもあるので、行きも帰りも私が先行しました。
さわやかな森だな・・・大峰らしい古寂びた落ち着きと静けさがあるなと思いつつ歩きます。
(朝の木々を眺める隊長)
足元は背の低い小さな笹の原で、木陰の歩きやすい道を小一時間ほど歩くと、景色と道の様相が変化します。少し道幅が狭くなり、修験の行所である窟がつづいてある辺りになります。
(笙の窟)
窟の上は大きな岩壁になっており、それに入った縦の筋が雅楽に用いる笙の様であるから、笙の窟なのかしら?と隊長の言。近くに教育委員会が立てた案内がありますが、命名の理由については述べられておらず。
窟の連続する辺りを越えて、見晴らしの良いところで、紀伊半島の幾重にも連なる山並みを撮影。何一つ人間の作ったものが写らないところに大峰の凄さがあるなあと思います。だから大峰が一番好きなのかと再認識します。
さて、登りだして1時間半くらいでしょうか、トラバース気味だった笙の窟あたりと異なり、岩と岩の間の急な登りになります。手足と使ってよじ登る感じです。こんなに大変だったかしら??と考えます。15年前は大普賢岳から先の道のりの長さとツラさが印象に強く残っており、前半のツラい所なんかすっかり忘れてしまっておりました。
手も使って登るから、階段というよりはしごです。一体何箇所はしごがあるねん??角度急すぎ!!しんどすぎ!という道です。登りはいいけど、帰りの方が降りるの難しそう・・・と心配になります。このあたりの小普賢岳の道標を見て、うっかり小普賢岳を登ってしまい、当初の予定にない道をいってしまって、反省。体力ロス。時間は20分ほどロス。ピンクのリボンがありますが、それは小普賢岳のピークへの案内で、大普賢岳につながる道ではないのでご注意ください。
ただもう何度も何度も続くはしごを昇り降りして山頂に到着です。写真の表情がしんどさを伝えているのではないでしょうか。今回はここで引き返すので邪魔にならないようなところにシートを敷いて昼食としました。虫がいっぱいいるのには辟易しましたが、やはり山頂というのは良いものです。たくさんのパーティーが昼食をしておられました。15年前は少し先の国見岳でおむすび食べたな・・・と思い出します。国見岳の方が虫がいなかったような。そして狭いけれどもピークに座り、連なる山並みを見渡しながらおむすびを食べると、自分が仙人になったような気分だったなと思い出します。
いつものようにパンを手早く食べて、あっさりと下山します。プラティパスを挟むようにザックに入れたコンビニの冷凍ペットボトルが功を奏したのか、プラティパスの水も少し冷たくていい感じです。
ピストンなので、来た道を引き返すわけで、急な角度の登りはしごが今度は急な角度の下りはしごになるわけです。あまりの連続、しんどさにさすがの隊長も””もうイヤッ!””と音を上げます。スマンでしたなぁ・・・15年前はこのはしごがこないに大変と感じなかったんや・・・体力落ちたんかなあ・・・と申し訳ない気分になります。そんなツラいはしごの連続を終えて、岩と岩の間の急な下り道をなんとか降りると笙の窟あたりのトラバース道になり、そこまでくると隊長の気分も良くなり、””山ってエエなあ〜””と言って残り僅かとなった下り道を惜しんでおられました。
(森の中に生えている樹皮のない不思議な木)
静かで爽やかな森を通り過ぎて、無事に下山でき、15年前のように水も切らさず、14時過ぎには降りてくることができました。
帰りの道中、入之波温泉山鳩湯に立ち寄ろうと思っていたのですが、思ったより来訪の車が多く見受けられ、停める場所も困るような状態だったので、やむなくそのまま帰路に着きました。
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